2011年08月17日

14th Congress of Logic, Methodology and Philosophy of Science

7/19から8/15日まで、ヨーロッパで2つの学会と、1つのサマースクールに参加してきました。多少記憶の薄れているところもありますが、自分の記録のために、簡単な日記を思い出して記してみました。

7/20 ~ 7/26
CLMPS (14th Congress OF Logic, Methodology and Philosophy of Science), Nancy, France

7/20
前日にカナダを発ち、朝のうちにド・ゴール空港に到着。まずRERでパリ北駅に移動。三年前にも来たのである程度分かるわいと思ったら、ここから東駅に行くのに迷う。すぐ近くのはずなのに、地下鉄の駅と間違えたりしつつ、40分くらいうろうろして、ようやく到着。次の列車まで一時間もあり、しばしのんびり。

会場について、いろいろな学会グッズをもらう。この学会は会費が高いのだが、昼飯、飲み放題のコーヒー、ジュース、おやつのパンなどが無料で、さらにおみやげや、リュックサックまでくれた。僕は学会からの援助で、学会費、宿代が免除なので、とても得した気分。宿も、ホステルみたいなところかと思っていたら、個室で、シャワーまでついている。ネットも遅いけどワイアレスでつなげて、まるで不満の余地がなかった。

学会に参加し始めてすぐに、多くの発表がキャンセルになっているのに気付いた。まあ、これだけ大きな学会で、要約の締め切りもかなり早かったので仕方ない。問題だと思ったのは、まず発表と発表の間に休憩がなく、部屋を移動する時間がない。さらに、ある発表がキャンセルになったり、発表者が来なかった場合、司会が次の発表をすぐに始めてしまう。同じ部屋で聞き続ける分にはいいが、他の部屋から移動して、すでに聞きたかった発表が終わっていることが数回あったので、そこの部屋の司会に抗議した。すると、そうするように学会側から通達があったという。めちゃくちゃな話だとおもったので、大会本部に抗議にいこうとすると、他の参加者から1人、俺も協力するぞ、とついてきてくれた。2人で大会本部に抗議すると、すんなり受け入れてくれて、キャンセルがでても、元のスケジュール通りに進行するように全員に通知してくれた。

会場で、カルガリーで同時期に博士課程に入り、今はポーランド、ベルギーでポスドクをしているR君、今は他大に移ったE先生と再会。

この学会は京大の科哲の方々を始め、日本人の参加者が非常に多かった。初日の夜は、僕の日本の母校で非常勤したことのあるH先生や、京大の若手の人たちと会食。フランスは食事が高いと思っていたけど、2品プラスデザートのコースで16ユーロくらいで、それなりにリーズナブルだと思った。しかし、フランス語が読めないので、学会中結構同じものばかり食べてしまった。

7/21
雨模様で非常に寒い。カナダよりは暖かいと思っていたが、今年の夏は雨が多いらしく、ヨーロッパ滞在の最後まで悩まされた。ホテルの目の前にパン屋さんがあり、そこでパンを買って朝ご飯。とてもおいしい。

学会は、まずHuw Priceの講演。とても明晰だが、量子力学のテクニカルな話があり、完全には理解できず。質疑応答での、すごく丁寧な受け答えに感銘を受ける。この学会では非常に多くの発表を聞いたけど、専門外なのと、すでに少し時間が経過してしまったので、あまり覚えていない。この日は、古代懐疑論のものが、「古代の懐疑論者は信念を持たない」というテーゼをどう理解できるかという問題を扱っていて、なぜこんなことが問題になるのか分からなかったので質問したのだが、どうも古代懐疑論解釈では有名な問題らしい。しかし、どう考えても、なぜ問題になるのか分からなかった。

昼からクーンのシンポジウムに参加したが、最初の二つの発表が、クーンが参加した学会で他にこういう発表があったとか、非常に細かい細かい歴史の話が続いて、結構退屈だった。聴衆の中に、クーンの本を書いた人(名前を失念してしまった)がいて、いろいろ鋭い質問をするので、質疑応答は盛り上がった。

この日は会場で、イランから来たM君、イタリアから来た心理学者のS君と仲良くなり、学会中はこの2人とよく話した。夜はS君と2人で、パブで少し飲み、レストランに移動して食事。コースの前菜を卵のやつにしたら、ゆで卵を4つに切って、マヨネーズかけただけのものがきて、びっくりした。あれで他と同じ値段とは、詐欺でないだろうか。

7/22
著名な心の哲学者が、認識論についての発表をしていたのだけど、認識論に対する背景的知識がないので、かなりひどいものだった。質疑応答でいろいろ聞いたけど、結構ぞんざいな対応されて、少し腹が立った。その後、カルガリーのR先生の主催する、カルナップのシンポジウムに。さほど新しい話がなく、ちょっと準備不足の人が多かったように思う。

夜はS君とまた飲みに行こうとしたら、スタニスラス広場の中にあるパブでイタリア人参加者の集団と遭遇したので、そこでまず軽く飲み。するとH先生を見かけたので、2人で食事に行くことに。食事後、広場に戻りイリュミネーションを見る。すごく豪華で、かなり楽しめた。これは一見の価値ありです。

次の日聞くと、イタリア人たちは、ディスコで夜3時くらいまで飲んだり、踊ったりしていたらしい。これがお国柄というやつだろうか。

7/23
朝一の講演が、技術者がプラズマ発生炉の構造とセキュリティシステムを延々と解説するというもので、かなり退屈だった。その後、Christopher Hitchcockの発表を聞く。これも彼の論文をそれなりに読んでるので、目新しい話はなかったが、発表はとてもうまかったし、質疑応答もユーモアとリスペクトのあるもので、発表のお手本のような感じだった。

台湾の院生らしい人の認識論の発表が、Pritchardの入門的論文のかなり問題がある要約で、あまりのひどさにびっくりする。同じところの人が後日、同じような認識論の要約を発表する予定になっていたので、台湾の認識論事情を聞こうと思って、彼女らを捜したのだが、この日以降見かけず、もう一つの発表にも姿を見せなかった。こういうことしてはいけないよなあ。

この学会はクリプキとかヒンティッカがキャンセルで残念に思っていたが、この日講演予定のMichael Fridmanもキャンセルになった。なので、同じ時間帯のM君の発表へ。

夜は京大の若手のN君、O君とピザを食べた後、学会イベントで、クラシックコンサートへ。なかなか楽しめた。

7/24
日曜なので学会はお休み。その代わり、希望者のみの観光ツアーがあった(有料)。僕はロレイン地方の歴史ツアーというのにした。バスで40分ほどかけて、地方の古城に移動。観光ガイドの英語がいまいちで、あまり身のある話は聞けなかったのが残念。城は入れる場所がかなり限定されていて、これもあれだった。その後、本来城の中庭でとるはずだった昼食を、雨なので近くのレストランでとる。めちゃくちゃ大きいサンドイッチで、全部食べきれなかったので、残りは夕食用に持って帰る。昼食時は、今までもちろん知っていたけど話したことのなかったS谷さんが隣の席で、ちょっとびびる。

昼食後は、まず近くの(今は使われていない)ビール工場を見学。これがすごーくゆっくりしたツアーで、いい加減退屈したころに、ビールの試飲があったので、満足。その後、サンタクロースのモデルとなった聖ニコラスの指が祭られている教会へ。これはかなり趣があって良かった。

京大を退官されたU御大が、教会のツアーの後で"No misbehavior?"と聞いてきたので、"Fortunately no, but this is unusual for me"と返したら、結構受けた。

このツアーで、アメリカのM大学の院生と仲良くなった。ホテルに帰ってぶらぶらしていると、また出会ったので、彼に付き合い、昨日と同じピザ屋へ。就職の難しさなどを嘆き合う。

7/25
ようやく自分の発表の日。僕の一つ前の発表が、DeRoseの文脈主義のこれまた問題のある要約を延々とやっていて、司会が何回言っても止めずに、原稿を読み上げ続けている。結局、時間大幅オーバーで終了。後で聞いたら、物理学の院生で、友人に会うためにフランスに来たくて、旅費の援助を受けるために学会に来るという名目が必要だったので、適当に勉強して発表したらしい。まるで文脈主義に興味もないということで、なんじゃそれは、という感じ。

この学会は、1000語の要約だけの査読で、ほとんどノーチェックだと思うので、発表の質の差がありすぎる。ただ、論理学系はある程度審査が厳しいと聞いたりもした。他分野が緩いのは、ヨーロッパではそういった分野がまだ弱いので、それらの発表を奨励しようという意図があるのでは、と知り合った研究者が推測していた。

自分の発表は、まあうまくいったと思う。認識論者は聴衆にいなかったので、質問も楽なものばかりだった。発表後R君から褒められて、満足。

この日は日本の母校のK先生と再会。イギリスで別の学会を聴きにいった帰りに寄ったとのこと。夜は、母校つながりでH先生、K先生と食事して、またイリュミネーションを見る。

7/26
最終日。結構疲れてきて、あまり発表を聞かず。O君のものと、他の日本の方の発表を聞く。O君は英語がかなりのもので、発表も堂々たるものだった。ただ、日本人はやはり質疑応答になるとリスニングが難しく、皆苦戦していた。

夜はO君、N君とぶらぶらしてから食事に。ここで食べた牛の骨髄入りのオニオンスープがめちゃくちゃおいしかった。

この学会は専門がかぶる人は全然いなかったものの、いろんな人と話したし、質問もそれなりにしたので、まあ満足した。日本の研究者の人も、ほとんど面識のない人ばかりだったので、挨拶ができたのは良かった。
posted by hakutaku at 09:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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