2010年01月03日

学会:実験哲学と実験経済学

皆さん、新年明けまして、おめでとうございます。今日は学会の開催のお知らせをしたいと思います。

実験哲学は、近年英米圏で拡大している哲学運動ですが、まだ世界にも例を見ない実験哲学と実験経済学共同の国際学会が、3月27,8日に京都産業大学で開催されます。京都産業大学の小田先生の作成された学会の概要並びに発表募集要項を、以下に転載します。この学会には僕もわずかながら協力していますので、多くの人が参加してくれると嬉しいです。

京都産業大学は,今年3月27-28日に,実験経済学と実験哲学の国際会議

How and why economists and philosophers do experiments: dialogue between experimental economics and experimental philosophy

を京都産業大学で開催いたします.

年度末で御忙しいときでしょうが,ご参加いただければ幸いです.

招待講演者は,会議のサイト:

http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/project/orc/execo/conf2010/index2010.html

にある通りです.Ido Erev,Urs Fischbacherは実験経済学にかぎらず心理学や脳科学の領域でも成果を次々にあげている有力な研究者で,Shu-Heng Chenは計算機経済学の指導者のひとりです.Stephen Stichは実験哲学の創始者(代表作は日本語で読めます),James BeebeはExpereminetal Epistemology Research Groupの主催者であり、倫理学で行われていた有名な実験を応用した実験を認識論で行うなど、実験哲学の哲学内部での応用の可能性を広げている研究者,笠木氏は,実験哲学を研究している日本の数少ない研究者のひとりです.

実験哲学とは何だろうかと訝しく思われる方もいらっしゃると思いますが,英語圏で近年注目されている哲学運動です.以下に笠木氏による紹介文を掲載します(英文は上記サイトにあります).

実験哲学とは、近年英米圏で急速に注目を集めている新たな哲学的運動を指す。様々な立場が実験哲学と呼ばれているが、それらに共通するのは、哲学的なケースに関するわれわれの直観的判断を実験心理学的手法を用いて分析するということである(また、直観プロセスについてのfMRI測定に基づく研究も含まれる)。伝統的哲学の方法論は、直観を所与と見なし、哲学的理論を構築するための、またそれを裏付けるための証拠として用いる、というものだった。しかしながら、こうした直観がどのようなメカニズムで生じるのか、またどのようなファクターが直観に影響を与えるのかという点に関して、従来十分な研究がなされてきたとは言い難い。こうしたメカニズムの解明に対して、実験心理学の手法は大きな成果を挙げると考えられている。しかしながら、実験哲学の成果が伝統的哲学に関してどのような重要性を持つのかということについては、哲学者一般、ましてや実験哲学者の内部でさえ合意が存在せず、活発な議論が現在行われている最中である。ある立場は、非哲学者の直観が哲学者のそれとは異なるという実験結果を受けて、直観の無制約の使用に依拠する伝統的哲学の方法論を批判する。他方、実験哲学の成果を伝統的哲学に対する重要な貢献と捉え、両者を共に発展させようとする立場もある。したがって、実験哲学は、単に直観に関する心理学的解明という経験的意義に留まらず、哲学の方法論の再検討を促すという点で、大きな哲学的意義をもつ運動である。

実験経済学も,半世紀あまりの歴史を経て経済研究の一方法として確立するとともに,脳活動計測実験や野外実験など新しい方法の導入と様々な科学との交流が深まっています.哲学との交流は日本ではまだ盛んではないように思われますが,Stich教授が「Danny Kahneman, who shared the Nobel Prize with Vernon Smith, has been a friend for decades」と言うように,関心と方法で重なりあい,互いに学べることが多いと思います.経済学,哲学,工学そのほかの分野のかたが気楽に集まって積極的に議論する会議になることを期待しています.

6名の招待講演のほか,一般報告のセッションも設けますので,希望者は1月末までに,概要(主要な参考文献の目録を含む,2頁以内のもの)を

exp-ksu2010@cc.kyoto-su.ac.jp

に御送りください.
実験経済学や実験哲学の発表はもちろん歓迎ですが,直接あるいは間接に会議の主題に関連するものなら分野を限定しません.
報告の可否と日程については,締切一週間後までに御伝えします.

会議の登録ページがまだできていませんので,参加希望のかたも上のアドレスにお名前と御所属と連絡先(メイルアドレス)を御送りください(この会議についての質問や意見も歓迎します).
会議の前後に実験哲学の入門セミナーなどを組織できるかもしれません.
新しい情報はサイトでそのつど更新されますので,ご面倒ですが参加希望のかたはときどきサイトをご確認ください.
posted by hakutaku at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 実験哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック